日頃の書類整理は、効率的な業務運営と正確な税務申告のために非常に重要です。
以下に、税務申告のための書類整理術についてのヒントをご紹介します。皆様のご参考にしていただけると幸いです。
1. 書類の分類と保管について
まず、書類を適切に分類し、保管することが基本となってきます。項目を増やすことでより正確で詳細な判別が可能になりますが、複雑になるため最初は大きな項目で分けることをお勧めします。主な分類の種類は下記のものとなります。
•売上関係書類:売上伝票、請求書、領収書など
•仕入関係書類:仕入伝票、納品書、請求書など
•経費関係書類:交通費、交際費、消耗品費などの領収書
•銀行関係書類:通帳のコピー、振込明細書など
•税務関係書類:過去の申告書、税務署からの通知書など
これらの書類を科目ごとに振り分けて、月ごとにまとめることで、必要な書類を必要な時に素早く検討をつけて見つけることができます。
特に金銭的な取引がどのように行われたのかを示す書類は、証憑書類に当たります。 証憑書類を残すことで、取引や経費に妥当性があるかどうかを判断することが可能になる重要な資料になりますのでわかりやすく整理して保管しましょう。
2. 書類の電子化について
紙の書類を電子化するには、スキャナー等を使用して書類をPDFなどの電子データに作り替えて、ストレージや専用の会計ソフトにアップロードすることになります。
ファイル名に日付や内容を含めるなど、後からの検索が容易になるような工夫も必要です。電子化することで、印刷コストの削減、保管スペースの節約、検索性や利便性を向上させることができます。
重要な書類は、必ずバックアップを取るようにしましょう。電子データにした書類を、クラウドストレージ、外付けハードディスク、USBメモリなど保存した場所とは別に場所を分けてバックアップを取ることで、データの消失リスクを減らすことができます。
書類の電子化を進める際に注意しておかなければならない場面もあります。
紙媒体等のようにメモ・注釈などを直接書き込めないことや業務改革やシステムの導入・改善が必要となるなどメリットを感じにくい部署・業務があります。事前に関連部署と広い視野で検討することで余計な摩擦を回避することができます。
3. 定期的な整理と断捨離について
書類は定期的に整理し、不要なものは処分することで管理スペースの確保や整理しやすさにつながります。特に、保存期間が過ぎた書類は適切に廃棄しましょう。
処分の際に気を付けたいのは、一般的に、税務関係の書類は7年間保存する必要がありますが、会社法に基づく書類は10年間保存する必要がありますので注意が必要です。表紙やラベルなどの表から見える場所に保存期間や処分する目安の日を記載しておくと作業がはかどります。
また、保存期間を過ぎた書類や機密文章の取り扱いも注意が必要で、シュレッダーなどを使用して安全に処分しましょう。
社内で書類整理のルールを設定し、全員が従うようにすることも重要です。例えば、以下のようなルールを設定などが考えられます。
•書類の保管場所を統一
書類の保管場所を一か所に集約し、誰でもアクセスできるようにします。
•定期的な整理日を設ける
月に一度、書類整理の日を設け、全員で書類を整理する時間を確保します。
•電子化の推進
可能な限り書類を電子化し、紙の書類を減らす努力をします。
4. ファイリングのコツについて
ファイリングの際の工夫や注意点について以下のポイントを気に留めるとこで整理や使い勝手が向上します。
•見やすく、わかりやすく!
インデックスやラベルを使用して、書類の内容が一目でわかるようにします。
•時系列で整理
書類は日付順に並べることで、後からの確認が容易になります。
•カテゴリーごとに分ける
売上、仕入、経費など、カテゴリーごとにファイルを分けることはもちろんですが、カテゴリーによって色分けすることで視認性もよくなり、必要な書類をすぐに見つけることができます。
5. ITツールの活用について
昨今便利になりつつあるアプリソフトやクラウドサービスを活用することで、書類の管理がさらに効率化されます。例えば、会計ソフトを使用することで、領収書や請求書をデジタルで管理し、自動的に仕訳を行うことができます。また、クラウドサービスを利用することで、どこからでも書類にアクセスできるため、リモートワークにも対応できます。
税務申告のための書類整理術まとめ
税務申告のための書類整理は、効率的な業務運営と正確な申告のために欠かせない作業です。定期的に書類を適切に分類し必要に応じて電子化し整理することで、業務効率を大幅に向上させることができ業務時間の短縮や突発的な事象にも的確に対応できるようになります。
また、現代社会の潮流になりつつあるITツールの活用は、社内でのルールを徹底することで、さらに効果的な書類管理が可能になる可能性を大いに秘めています。これらのポイントを押さえて、日々の業務に役立ててください。